がん放射線療法2017(秀潤社)の執筆にあたり

がん放射線療法2017

以前同じ職場でお世話になりました唐澤先生(東京女子医科大学放射線腫瘍学講座主任教授、東京女子医科大学理事 医学部長)より、執筆の依頼を受け「がん放射線療法2010」と「がん放射線療法2017」の一部を書かせて頂きました。
昨今では、歯だけではなく、口腔がんなどお口の様々な検査や相談を希望される方も増えて来ました。
これまでの経験が少しでも、皆さまの安心につながればと思います。

以下、一部抜粋させて頂きます。

第2章 放射線腫瘍学総論
有害事象の治療法: 咽頭・口腔粘膜炎
メディカルフォレストひばりの森歯科 ・篠田宏文

第7版でのポイント
有害事象の治療法 :咽頭・口腔粘膜炎
●生命維持に欠かせない食物の摂取・代謝・排泄の一連の流れは,入口から出口を通して行われており、その入口となるのが 口腔-咽頭である。頭頸部腫瘍治療により栄養摂取の「入口」が大きく障害されるという視点をもつことが重要である。
●咽頭口腔粘膜炎が出現すると経口摂取量が低下しフレイル(虚弱)となり,医原性のサルコペニアが引き起こされることを知っておくべきである。
●咽頭口腔粘膜炎に対し、歯科医師、歯科衛生士を含むNSTチームと連携し,照射前から口腔内環境を整え、口内炎の悪化を予防し,栄養管理をしていくことが必要となる。
●口腔機能が管理されれば誤嚥性肺炎のリスクも軽減し,がん以外による死亡リスクの軽減につながる。

1.はじめに
咽頭・口腔粘膜炎は時にオピオイド導入に至るほどの強い疼痛を伴う.咽頭・口腔粘膜炎の治療の最大の目的は,粘膜炎の軽減を図り放射線療法を完遂することにある。
また、生命維持に欠かせない食物の摂取・代謝・排泄の一連の流れは入口から出口を通して行われており、その入口となるのが口腔・咽頭である. 咽頭・口腔粘膜炎により栄養摂取の「入口」の機能が大きく障害され、医原性のサルコペニアが引き起こされる。それに対処するため、歯科医師,歯科衛生士を含む NSTチームと連携し,照射前から口腔内環境を整え,咽口腔粘膜炎の悪化を予防し、栄養管理を行っていく必要がある。
咽頭・口腔粘膜炎の治療は前処置,栄養管理,放射線 療法終了後の口腔機能管理まで多岐にわたる。

2.治療法
放射線療法開始前の前処置
口腔内に出現する有害事象を軽減させるため,歯科医師の協力を得て前処置を行う必要がある。放射線療法後時に照射野に含まれた歯を抜歯した場合、創傷治癒不全から顎骨骨髄炎を発症するため、絶対に禁忌である。そのため照射野内に保存が困難な歯があれば放射線療法開始前に抜歯する。歯周病による動揺歯、大きな根尖病巣を有する歯、智歯(親しらず)などが対象となる。智歯は通常清潔保持が困難であるためう蝕や智歯周囲炎を起をしやすく、トラブルの前兆がなくても抜歯の適応となることが多い。抜歯に関する明確な判断基準は存在しないが、頭頸部腫瘍の治療成績および生存率などを考慮すれば、今後2年間以上の保存が困難であると歯科医師が判断する歯は抜歯すべきであると考える。また,治療開始2週間前までに抜歯するのが望ましく、動揺歯など侵襲が少ない歯であっても3日前までには抜歯しなければならないと考える。
口腔内の金属物からの散乱線は口腔内の炎症に大きな影響を及ぼす。潰瘍を伴う重度の粘膜炎は、ほとんどの場合照射時に金属物に接する粘膜に形成されており治療開始前に可能であれば金属物を撤去すると良い。義歯 (入れ歯) は外して治療計画を行い、患者にも照射時に義歯を外すよう指導する。咀嚼機能に大きく影響するものや自由診療の金属補綴物は、撤去が困難となる場合がある。その場合3mm以上の厚さを有するスペーサーを作製し、照射時に金属物を覆うことで粘膜炎を軽減させることができる。近年普及してきたIMRTでも歯や金 属物が照射範囲に含まれてしまうことがあり,スペーサーを使用するべきである。
ここ数年、歯科領域でインプラント治療(人工歯根) が急速に普及している。インプラント治療とは、歯の欠損部位の顎骨にチタンでできたインプラント体を植込み、その上に補綴物(上部構造体) を被せる方法である。


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