東京女子医科大学にて、歯科治療と頭頸部癌治療を専門とし、入院治療と外来診察に16年間従事。内科系基礎疾患(循環器疾患、脳神経疾患、内分泌疾患など)を有するかたの歯科治療も専門に行ってきました。
口腔外科病棟と放射線科病棟の日常業務の中で、お口の中を刺激してきれいにすることで生命に危険を及ぼす肺炎(誤嚥性肺炎)が改善された事例、意識状態が改善された事例などを実際に数多く経験し、手術後の急性期から終末期に至るまでの口腔ケア、口腔機能維持の重要性を実感しています。
訪問診療では、嚥下内視鏡を用いた食べ物を飲み込む機能の評価、栄養評価、食形態の検討、リハビリテーションも行っています。
略歴
- 東京都東久留米市出身
- 日本大学歯学部卒
- 東京女子医科大学 歯科・口腔外科勤務
- 同 救急救命センター研修終了
- 同 放射線科放射線腫瘍部研修終了
- 同 麻酔科研修終了
- 東京女子医科大学 放射線科放射線腫瘍部へ移籍(医学部助教)
- 密封小線源治療を含む放射線治療と抗癌剤治療を専門に頭頸部癌治療に従事
- 放射線科放射線腫瘍部を退職後
ひばり歯科クリニック副院長に就任 - 医療法人社団メディカルフォレスト
ひばりの森歯科 理事長 歯科医師
がん放射線治療」
学研メディカル秀潤社
篠原出版
南江堂
がん放射線治療の実際と看護」
2008.Vol28.No13 学研
パーフェクトブック
学研プラス (2016/9/26)
学研プラス(2017/6/30)
医科と歯科の連携が
当たり前になるように
当院の大きな特徴の1つは、有病者対応です。
そこで重要なのは、患者さんに病気の状態や治療の内容をよく聞くこと。そして必要あらば医科の先生と連絡を取り合うことです。
当然、患者さんに聞くためには、医科の知識が大前提となります。歯科医の医科系分野における知識不足は、医科歯科連携の大きな課題の1つです。
例えば、胃を全摘出したかたは6分割食程度になります。弁置換術が必要となるような感染性心内膜炎は、約70%が歯科での抜歯に起因しています。
これらのことを、どれだけの歯科医が知っているでしょうか?
歯科治療において、下手をすれば人の生死に関わるようなことも数多く存在します。ましてや、現在の国内のがん患者数だけを見ても、年間100万人程度。高齢化が進むにつれてますます有病者は増えるわけで、もはや歯科が医科のことを知らなくて済む状況ではないのです。
そんな時代だからこそ、歯科が医科の知識を持つこと、そして医科と歯科が連携することは、患者さんを守るために極めて「普通」のことだと思っています。
有病者がきちんと治療できればその歯科は信頼されますし、逆に万が一何かがあれば、その歯科はそこまででしょう。今後二極化はさらに加速すると予想します。だからこそ、POIC研究会としてもこの領域に力を入れるのはもちろん良いことだと思います。ただ「より高度な医療を提供する」ではなく「医科歯科連携という当たり前のことを当たり前にしようよ」くらいのスタンスで臨みたいものですね。